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sate

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題名考え中・・・2話。

第2話:出発!

兄さんが出て行ってから月日は経ち、あの事件の記憶が薄れていく。

私の心には今でも鮮明に、色濃く残ったあの日。

あの事件後、周りの私への対応もずいぶんと変わった。

慰めるような言葉も多くかけられた。

反対に、罵声を浴びせられることもあった。

どちらも私には辛かった。

慰められてもあの日のことがよみがえるだけ。

心に深く残った傷跡が疼くだけ。

それでも月日は人を変えて。

今ではみんな普通に接してくれるようにもなった。

それでも過去は拭えない。

振り払おうとしても影のように付きまとって。

過去から背こうとしてもそれはゆっくり前に現れて。

だからせめて償おうと思った。自らの過ちを、しっかりと前を向いて。

***

真っ赤に光る夕陽が長い影を作る夕暮れ時。

私は一人帰路へとついた。

私の家は借家。

事件前まではこの村の村長さんの家に住んでいた。

しかし事件後、村長はその対応に追われるようになった。

だから私はこれ以上迷惑をかけないようにと小さいながらも家を借りた。

村長は、「居ても構わないぞ?いつもそうやって過ぎ着てきたじゃろう?」と引き止めてくれたけど私の良心が痛む。

だから、大家さんにずいぶん無理を言って貸してもらった。

鍵を開け、扉を開く。

ぎぃぃぃぃ~と音を立てて開く扉。

・・・築何年だって大家さん言ってたっけ・・・

そんなことを考えながら中に入る。

小さい家だけど小柄な私には広いくらいの家。

荷物を置く。

すると壁に掛けてあるカレンダーに目がついた。

カレンダーの今日に欄に赤い字で『出発』と書いてある。

そう、私は今日・・・村を出る。

あらかたの準備も終わって家はすっかり片付いていた。

このことは誰も知らない。

ただ大家さんには、新しいところに住む。とだけ伝えて、今までの家賃も返した。

村から出ればモンスターだって居るだろうと道場に行っていろんな武術を学んだ。

少しずつお金もためた。

今日のために。

出発は夜。

それまで私は眠ろうと、布団にもぐりこんだ。

***

夢を見た。昔の夢を。

そう、村から出ようと決意したあの日のことを。

鮮明に浮かぶのは村長の言葉。

村長は優しく、叱るように

『過去のことは悔やんでも仕方がないんじゃ。過去には戻れないんじゃよ。まっすぐ前を見て、次にしなければいけないことを考えなさい。罪を償いたいのならそのために前を向いてしっかりと進んでゆきなさい。』

と。

私の背中を押してくれたあの言葉。

悲しみの底に落ち過去を悔やんでいた私を救った言葉。

前へと進もう。と決意させてくれた言葉。

天井をぼんやりと私はゆっくりと頭を上げた。

窓の外は暗闇に落ちていた。

そろそろ頃合だろう。

見つからないようにゆっくりと出て行けば大丈夫・・・

私はローブを羽織りある程度の必要品を詰めたバックと皮の柄に入った剣を持ちドアノブに手を掛けた。

すると、

コンコン・・・

と、ドアをたたく音。

ゆっくりとドアを開ける。

そこにいたのは・・・・・

「そ、村長・・・さん・・・」

私は驚きのあまり2,3歩後ろに下がる。

「ふぅ・・・やはり、行くのじゃな?雅よ。」

「え?・・・」

その口から出てきた言葉は私をさらに驚かせる。

「村から出て行くのじゃろう?」

そう。知っていたのだ。私が村から出て行こうとしていたことを。

「知って・・・らっしゃったのですか・・・」

「うむ。」

黙り込む二人。

長い沈黙を破ったのは村長だった。

「まぁ、止めはせん。行きたければいくがいい。ただ・・・・」

息を呑んでその続きに聞き入る。

「・・ただ・・・・試させてほしいのじゃよ。お前の意思と、決意をな。」

「は・・・い・・?」

思わず間の抜けた返事をしてしまう。

「試すと言っておるのじゃ。荷物を持ってこっちへ来なさい。」

村長は私の手を引っ張る。

そしてその先・・・広場に居たのは、

「親衛隊・・部隊長・・殿?」

村長や村民、村の守ることを目的に結成された親衛隊。

そこにいたのはその親衛部隊の隊長。

「その方(ほう)と戦い、道を切り開くのじゃ。」

「で、でも・・・その・・」

私は戸惑った。

村人同士が争うことは基本的に禁止されていたから。

「・・俺もはじめは戸惑った・・が、村長殿のじきじきの願いだ。断るわけにも行かぬ故・・・本気で行かせてもらうぞ?剣を抜け。・・・雅。」

「・・・避けては、通れませんか?」

人を傷つけるような行為はしたくない・・・だから、聞きたかった。

「無論だ。・・・それとも、お前の決意はその程度か?」

嘲笑うように語り掛けてくる。

・・・・どうやら覚悟を決めなきゃいけないらしい。

「そう・・・ですか・・・・」

スゥ~っと深く深呼吸をひとつ。

荷物を足元に置き、剣を柄から抜き、正眼に構える。

「・・・いきます!」

「来るか・・・。第67代目親衛隊部隊長の名においてそなたを倒させていただこう!」

強く地面を蹴り、一瞬で間合いを詰める。

「・・ほぅ。流石は風術師の最高称号“風を統べるもの”を持つものだ。早いな。」

楽しそうに笑い、私の剣を防ぐ。

「くっ!!」

私はすぐに間合いを取る。

正面から突っ込んで斬り合っても力負けするだけだから。

だったら速度を活かすだけ!

「“風よ、集いて矢となれ”!」

呪文を唱える。

すると風は私の周りに不可視の矢となって現れる。

そして私は一気に駆ける。

そして相手の目の前、相手の剣が届く前に上へと飛んだ。

「はぁ!!」

そして矢を放つ。

なるべく当てないように周りに。

当たらなくても目くらましにはなる。

そして背後に着地し、背中に剣をつきたてた。

「・・・・これ、で、いいです、か?」

息が上がってしまって言葉が途切れ途切れになってしまう。

「・・・ああ。まあ、いいだろう。」

その言葉を聞き、私は剣を背中から離し、柄へと収める。

すると隊長はこっちへと向き直る。

「戦い方も、気合も申し分はない。ただ・・・・」

「ただ?」

「・・・ただ、お前はあの矢や剣で俺を傷つけまいとしたな?」

「っ!!・・・は・・い。」

私の考えが漏れていたことに驚いた。

「ふぅ・・・やはり・・甘いな」

鋭く突き刺さるような眼光でこちらを見る。

「外にでればさまざまなことがある。自らの手を汚してしまう事だってな。」

叱るように・・・そして諭すように語り掛けてくる。

「だが、そうせねば生きられるのだ。こことは違い、誰も守ってはくれぬぞ?自らの命は自らで守る。それが掟だ。」

「は・・・・い・・・・。」

返す言葉もなかった。

自分の考え方事態が甘かったのだ。今やっとそれに気付いた。

「・・・まあ、それに気付けばよい。・・・ですよね?村長殿。」

くるりと隊長は村長に向き直る。

「ああ。よいぞ?行ってもかまわん。・・・とはいってももともと我々に止める筋合いなどないのだがの・・・」

村長は言葉をつむぐ。

「行って来い、雅よ。うぬが決めたことじゃ。挫けずまっすぐに進んでゆけ。辛いことも悲しいことも、うれしいこともあるはずだからの。」

「・・・・はい。ありがとうございます。村長・・・」

こうして、私は村を出た・・・・

題名考え中。。。

第1話:すべての始まりは。

すべてはあの時。

私たちが生まれたときに始まった・・・・

ミーア村は平和な村だった。

竜人族という特殊な種族が暮らすこの平和な村

その村に2つの新しい命が誕生した。

一人はここではとても珍しい真っ黒な髪の男の子。

もう一人は緑色の髪をした女の子。

これから幸せに育ってゆくはずの2つの命。

でも、母親は2人を生んだ後、ゆっくりと、幸せそうに、そしてさびしそうに息を引き取った。

そして父親は数日後、後を追うように自ら命を絶った。

孤児となった2人を村長は引き取り育てることにした。

しかしすぐにそれも叶わなくなった。

黒髪の男の子。黒銀(くろがね)と名付けられた少年が暗黒龍の血を強く引いた・・そう。闇の子と呼ばれる特殊な子であったから。

村人から避けられ、何度も村から追い出されそうになった。

石を投げられ、突き飛ばされ、「村の疫病神」と呼ばれ・・

それでも少年・・黒銀はただうつむくだけだった。

妹の・・・緑色の髪をした少女、雅(みやび)はそれを見ていることしかできなかった。

それが悔しくて、そしてなぜか反撃に出なかったことに疑問を抱いた。

誰よりも魔術が得意で、剣術ができる兄が。

私が追い払おうと、兄を庇おうとした事も何度もあった。

でも村長に

「やめなさい・・・つらくても・・・仕方がないんじゃよ・・」

と止められた。

何故止められたのかが不思議で私は村長に向かって叫ぶように訴えた。

「なんで?何で止めるの?私の唯一の家族なんだよ?母親も父親もずっと居なくて、それでも兄さんは私に笑いかけてくれて、ないてるときは頭を撫でてくれた。そんな兄さんを何でいじめるの?優しい兄さんを・・・何もしてないのに何で兄さんをっ・・・」

自然と、涙がこぼれた。

「すまない・・わしの力が足りないばっかりに・・」

村長はぎゅっと私を抱く。

それからだんだんと兄さんの元気がなくなって、眼に光がなくなって・・・

それでも私は何もできないまま月日は過ぎていった・・・・

そして、あの日を迎えた・・・

運命の、あの日を。

***

ふわりと優しい風が頬を撫でる。

「ん〜・・・・・」

重たい瞼をゆっくりと開けた。

見えてきたのはほのかに明るい天井。

私はゆっくりと重たい頭を上げた。

柔らかな朝日が少しだけ照らす薄暗い私の部屋。

私はベットから下りて着替えを始める。

最近は風に起こされるのも珍しくはなくなった。

それはやはり“すべての風を統べるもの”の称号をもらってからだろう。

風を感じ、風を操るもの。

そんな称号をもらった。風に敏感になるのも当然だとおもう。

だから最近は風に起こされるようになってしまった。

私は着替えを終え、1階に下りる。

「おはようございます・・・」

と挨拶をしたもののリビングには誰もいなかった。

(いつもなら村長さんがいるはずなんだけど・・・)

すべての部屋を探してみたがやはりどこにもいなかった。

(どうしたんだろう・・・)

村の会議でもなかったはずだから・・・

「ん?」

ここで外が少し騒がしいことに気がついた。

(なにか・・あったのかな・・)

私は少し不安になりローブを羽織って、外へと飛び出た。

***

騒ぎは広場で起きていた。

私は必死に走り、広場に着いた。

そこは・・・・・まさに地獄絵図。

殺された人たちの赤、朱(あか)、赫(あか)・・・

「うっ!・・・」

口元を両手で押さえる。

吐きそうになるほどの光景が、そこに広がっていた。

この騒ぎはいったい・・・

そして私の目に飛び込んできた光景。

それはまさに私にとっての地獄。

人に囲まれた真ん中に立っているのは・・・・

(に、兄さんっ!!)

赫(あか)く血に染まった・・・兄さんだった。

まさか・・・これはみんな兄さんがやったの?

(嘘!嘘!!嘘だよ!!!)

必死に否定した。

けれど光景は変わらない。

手を真っ赤に染めた兄さんがただ、静かに立っているだけ。

気付けば兄さんに向かって走り出していた。

人を掻き分け、真ん中にいる兄さんの下へ。

走っている途中村長の声が聞こえた。

「危険じゃ!!いくでない!!」

・・・ごめんなさい。村長・・

私は村長の忠告を無視して走った。

そして兄さんの元に、着いた。

「ん?」

兄さんがこっちを向く。

その眼は辺りに滲んだ血の様に、真っ赤だった。

「兄さん・・・なんで・・こんなこと・・・」

俯き必死に絞り出した声。

こんなことしか思い浮かばなかった。

何でこんなことをしたのか聞きたかった。

「・・・復讐だ・・・・」

その言葉を聴いたとたん、ひざがガクッと折れた。

私はその場に座り込んでしまった。

「・・・これで俺たちを批判するやつがいなくなったんだ。苦しまないですむんだよ。これで平和に過ごせるようになったんだ・・雅・・・」

冷たい・・感情のこもっていないような声。そしてぐにゃりと兄さんの口元が歪む。

「こんなこと・・・こんなことして手に入れた幸せなんて・・・」

つつっと頬を涙が伝う。

兄さんはこんなにも苦しんでいたんだ。それなのに私は何もできずに・・・・

・・・悔しかった。

何にもできなかった自分が。

「何で泣くんだ?幸せになるんだ。これから・・・・」

兄さんの言葉が痛かった。

「それでな、雅。俺は考えたんだ。俺は・・・・この村から出ようと思うんだ。」

(えっ?)

私はばっと上を向いた。

「外界に出ればもっと幸せになれるとおもうんだ。」

「そ、そんな・・・・」

兄さんはそっと、私を抱いた。

そして耳元で、

「ごめん。俺はもう・・・・」

とつぶやいた。

「え・・・・」

そのときだけ元の兄さんに戻ったような声だった。

すっと体を離すと兄さんは村の出口へと歩いてゆく。

止めることも、追いかけることもできなかった。

霞む視界。

兄さんは本当に村から出て行ってしまった。

兄さんの姿が見えなくなってから、私はその場にうずくまって大声で泣いた。

私のなく声だけが村に響いた。

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